小径からの景色
私にはカミングアウトしているノンケの友人が何人かいますが、マイノリティーな悩みを共有し易いのはやはり同じマイノリティーな人な気がします。
今日は数年前から親しくさせて頂いているマイノリティーな先輩医師に、国試合格祝いと称した食事に誘っていただきました。
料理はどれも大変美味しく、同世代同士ではまだまだ入れないようなお店も経験でき、とても楽しい時間でした。
性的少数者であることによる不都合さ、社会的な不安定さ、偏見に満ちた社会で自分を受け入れることの大変さは簡単に語れるものではありません。
個人のidentityを容易に揺るがす極めて重要な問題だと常々考えております。
問題は歳を重ねる毎に増えていき、生きづらさも年々増しているようにしか感じられません。
周囲の結婚や妊娠報告を聞く度に“ノンケに生まれたかった欲”は増すばかり。
決してマイノリティーに生まれて良かったとは思えませんが、ただ、こういったマイノリティー同士の出会いやその中での体験というのは我々だけにしか経験出来ない特別なものであり、幸せなことだとも感じています。
本質的な解決には至らなくても、美味しいものを食べながら楽しく飲んでるうちに今週だけは頑張ろうと思えるのかもしれない。
それを繰り返しながら、嫌なこと・つらいことから目を逸らして生きていけたら良いなと思います。
来週からはいよいよ社会人。
自分が今までしてきてもらったように、私もマイノリティーな後輩たちをもてなしたい。
マイノリティーだからこそ見える景色があることを知ることは、生きづらさからの一時的な解放になると信じています。